毎日持ち歩くものを、全部黒にした。

毎日持ち歩くものを、全部黒にした。

バッグの中を開けたとき、余計な色が目に入らない。そのためだけに、EDCを黒で揃えた。

バッグを開けるたびに色が散らかっている人と、そうでない人がいる。後者でいるために、持ち物を黒で揃えていく。統一感のためというよりは、見るたびにノイズが入ってこない状態を作るために。

EDCとは

EDC は Everyday Carry の略で、毎日持ち歩くものの総称を指す。財布、鍵、スマートフォン、ペン、モバイルバッテリー。どこへ行くにも身につけている小さな道具の集まりが、EDC と呼ばれる。何を持ち歩くかは人によって違うが、毎日触れるものだからこそ、一つひとつの選び方が生活の質感に効いてくる。

その EDC を、色という一点で揃えてみる。ここでは、持ち物を黒で統一していく中で見えてくることを書いていく。

選択そのものが速くなる

黒いものを選び続けていると、選択そのものが速くなる。何かを買い足すとき、候補に黒がなければ、その時点で外れていく。それだけで選択肢が絞られ、ブランドや価格より先に色で篩いにかけるぶん、比較検討の時間が短くなっていく。

そうして手元に残るものは、少しずつ密度を増す。

一式を黒で組むと何が起こるか

財布、ペン、モバイルバッテリー、ケーブル、キーケース。このサイトで扱ってきた黒い道具から一式を組むなら、財布は薄い黒革のスリーブ、充電まわりは手のひらサイズの充電器持ち歩く黒いバッテリー、書くものはポケットに入る黒いペンという組み合わせが作れる。

ブランドはばらばらでも、黒という一点が合っているだけで、バッグを開けたときに統一した何かが見えてくる。雑然としたものが、雑然として見えにくくなる。

黒で揃える順番

最初に揃えるなら、毎日目に入るものからでいい。財布、スマホケース、ペン、イヤホンケース、モバイルバッテリー。このあたりはバッグを開けたときに視界へ入りやすい。ケーブルの内側やポーチの中に隠れるものは後回しでも構わないが、それは「気にしない」のではなく、手をつける順番の問題にすぎない。

黒で揃えることは、ルールを増やすことでもある。だから続けるには、どこから手をつけるかの順序が要る。

そうやって優先順位をつけて始めたほうが、長く続いていく。

同じ黒でも素材で見え方が変わる

同じ黒でも、素材によって見え方はかなり変わる。ナイロンの黒、レザーの黒、アルミの黒、ラバーの黒。すべてを同じ黒にすることはできないし、むしろ、違う素材が同じ方向を向いている状態のほうが好ましい。色を黒で揃えてしまえば、質感の差はノイズではなく、全体を引き締める要素として効いてくる。

バッグの中で黒い革の財布と、マットなモバイルバッテリーと、少し光沢のあるケーブルが並ぶ。色は揃っていても、質感は異なる。その差があるからこそ、黒一色でも単調になりすぎない。

ただし、質感には注意もいる。プラスチックやレザーの安っぽい光沢は、色を黒で揃えても全体の格を下げてしまう。だから、同じ黒でも意識してマットなものを選ぶ。光を跳ね返す黒より、光を吸う黒のほうが、層として深くなる。ここは素材次第で、判断が変わってくる。

金属色には、とくに気を遣う。シルバーもゴールドも、光沢の出方ひとつで安っぽく見えてしまう。同じ色名でも、てかりの強いものと抑えたものでは別物になるので、金具やパーツの金属はかなり慎重に選ぶ。

黒で揃えるというより、黒い素材の層を作っていく感覚に近い。

完全な黒は少ない

やってみるとすぐにわかるのは、完全に黒いものが意外と少ないという事実だ。ロゴ、ステッチ、ジッパー、ボタン、内装、充電端子の周り。黒い商品として売られていても、どこかに別の色が必ず入っている。完全な黒だけを選ぼうとすると、候補は一気に減ってしまう。

だから問題は、黒一色にできないとき、残った色をどう扱うかに移っていく。

金具と差し色のルール

黒で揃えきれないときの基準は、二つに置いている。

一つは、金具の色を揃えること。ジッパー、バックル、スナップ、リング。こうした金属パーツは、黒に塗られているものを選ぶか、どうしてもシルバーが残るなら、すべてシルバーで通す。黒とシルバーが中途半端に混ざるのが一番散らかって見えるので、金具はどちらか一方に寄せる。

もう一つは、避けられない差し色を白か赤のどちらかに絞ること。この二色は、役割がはっきり分かれている。

白は、黒と並んでもモノトーンの内側に収まる。だから差し色が白なら、多少割合が増えてもパレットが崩れない。むしろ白で通すと、他の小さな差し色まで受け止める余地が生まれて、実用上はかなり扱いやすい。神経質に消さなくても、全体は静かなまま保てる。

赤は、完全に好みの問題になる。モノトーンには属さない色だから、入れた瞬間に個性として立つ。ただ、赤を許すなら割合を抑えて、赤以外の差し色は混ぜない。この「どれだけ入れるか」「赤で統一するか」にこだわる部分こそ、ノイズを増やさずに個性を出せる一点になる。差し色がばらばらに散っているのと、白か赤の一色で通っているのとでは、整い方がまるで違ってくる。

見えない部分まで通すと静かになる

見えない場所だから雑でいい、とは考えていない。内装の色、端子まわり、ポーチの内側。普段は視界に入らないところまで同じ基準を通しておくと、取り出すたび、開けるたびに、気持ちが揃う。

外から見える面が黒ければ十分、という割り切りもありえる。ただ、見えない部分まで整えておくと、その道具を持っているという感覚そのものが静かになっていく。持ち物が静かだと、向かう先のことへ意識を向けやすくなる。

具体的に何をどう選ぶかは、黒で揃えるEDCの組み方でカテゴリ別にまとめている。

Author

Midnight Sector 編集部

黒い道具、EDC、日用品を、静かな選択眼で記録しています。

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